子供たちの遊びか、それとも大人の気まぐれな手すさびなのか、やや日の傾きかけた初冬の公園の片隅の石の上に、手のひら一杯ばかりの椿の実が置き去りにされている。採り集めているうちに手に余ってしまったのだろうか、そんな何気ない人のなす業に目を留めていると、微笑ましくも、また、置き去りにされたままの椿の実がいとおしくもあり、わびしくも思える。茶花(詫び助)のイメージに重なるからなのだろうか。
秋から春にかけて色々な品種が咲き続ける。木偏に春という字だから本来春がシーズンなのだろう。
原種は中国や日本等。徳川二代将軍・秀忠の趣味からの力入れで多くの品種が改良されたらしい。
薬用としては花を使って関節痛・腸出血等に用いられて来たようだ。実を絞った椿油は皮膚の疾患に良い。
ここでのおすすめは、実を包んでいる殻の部分である。これはリウマチに使える。冬になると、実をはじいた後の殻が枝に残っているのを集めて、エタノール液やホワイトリカーに浸けて抽出したものを患部に塗る。自己免疫疾患に煎じて(2〜3個)服むのも良い。